切りつけた痕
唾液のようにあまい

枯れ落ちた葉が
ふたたび土に還るころ
ぼくらは拙いことばで お互いをつなぎとめて

こわいね
こわいよ
生きていることは
死んでいくことは

腐葉土の上 永遠をかたる
拙いことばは罪をもたない
滑稽さに気づいたときに 僕らが大人になるみたいに

切りつけた痕が塞がるまえ
不思議な引力に従ってぼくが舐めた
ごっこ遊びがしたいわけではないよ
かすかにわらう吐息を逃したくないだけだよ
外にでていくきみを ぜんぶ取り込んでしまいたいだけだよ
ぼくはいつも わがままなんだ
きみがすべてを知りたいとおもうくらいに


はやく 終わりがくればいい
はやく 永遠がくればいい